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職場のトゲある言葉、スルーすべき?撃退すべき?

昔の職場で、上司と2人きりのミーティングが定期的にあった。
これがまあ、楽しくない。全然楽しくない。

別に毎回ブチ切れられるわけじゃない。
でも、言い方がいちいち刺さる。
「あ、今日も感じ悪いな」ではなく、
「この人、安定して感じ悪いな」というタイプだった。

で、ある日ついに言われた。「その年齢でこんなこともできないの?」うるさい。
急に年齢を具材として入れてくるな。指摘だけで済ませればいいものを、わざわざ嫌味として味付けしてくるあたり、なかなかである。しかしその場で正面衝突するほど、こっちも暇ではない。なので、少しだけ遊ぶことにした。

「すみません、電波の調子が悪くて……何も聞こえなくて」

さらに追撃。

「あれ……? 今、そっちから女の人の声が聞こえます……」

すると上司が
「え?」
と、さっきまでの余裕を一瞬で見失った。

彼女は心の中で
「よし」
と思いながら、
「顧客とアポがあるので失礼します」
とだけ言って通話を切った。

ちなみに、女の人の声なんて聞こえていない。完全にブラフである。

でも、理不尽なことを言われた側が、ほんの数秒だけ相手をヒヤッとさせる。
それくらいの小さな反撃は、人生にあってもいい気がする。

その年齢でを足す人、だいたい余計

そもそも「その年齢でこんなこともできないの?」という言い方は、よく考えるとなかなか雑である。

本当に必要なのは、
「ここはこうしたほうがいい」
「次からこうしてほしい」
という話のはずだ。

それなのにその年齢でが入った瞬間、話は仕事から微妙にズレる。
急に人そのものに小石を投げる感じになる。

しかも年齢は、いまさらどうにもならない。
今日から急に3歳若返ることはできないし、会議中に年齢だけ別室待機させることもできない。

つまり、その言葉には建設性がない。
あるのはちょっとした嫌味と、言った本人の妙な満足感くらいである。

カチンとくるのは、そりゃそう

こういう話になると、
「大人なら受け流したほうがいい」
「相手にしないのが一番」
という意見もある。

たしかに、それも一理ある。

ただ、カチンとくるのは普通だ。だって失礼だからである。

失礼なことを言われて「いまの嫌だな」と感じるのは、別に器が小さいわけでも、心が狭いわけでもない。むしろ、ごく自然な反応といっていい。

問題は、その感情をどう扱うか。

真正面からやり合うと面倒。
全部飲み込むのもしんどい。
だから大人は、その間をぬって生きる。

少しとぼけたり、
少しずらしたり、
少ししょうもない知恵を使ったりしながら。

今回の返しは大人らしい、小さな反撃である。(自画自賛)

トゲのある言葉まで、律儀に受け取らなくていい

毎回こんなふうに、うまく切り返せるとは限らない。
あとになって「ああ言えばよかった」「こう返せばよかった」と思う日も山ほどある。

それでもひとつ言えるのは、
「その年齢で」なんて言われた側が、必要以上にへこむことはないということだ。

仕事の指摘と、ただの嫌味は別である。
使える部分だけ拾って、余計なトゲは受け取らなくていい。

むしろ心の中では、
「はいはい、そっちに女の人の声ね」
くらいの雑な処理で十分なのかもしれない。

ちなみに彼女は、そのあと普通に顧客アポをこなし、普通にお昼ごはんも食べたらしい。

それでいい。
本当にそれでいいのだ。